「ブルベ」のご紹介 - 2014.6.18

ご無沙汰しております。自転車好きでロードレーサーに乗っている営業の長岡です。本日は私が参加している「ブルベ」という自転車イベントを紹介させていただこうと思います。

ブルベというと聞きなれない言葉だと思いますが、これはもともと『認定』という意味のフランス語 - Brevet で、これが示すようにフランス発祥のイベントです。キューシートと呼ばれる指示図を頼りに長距離のコースを規定時間内で完走すると認定がもらえるというもので、長距離サイクリング(ランドネ)の実力認定なのです。

ブルベは主催者が助けてくれる一般のサイクリングイベントとは違い、トラブルや事故があっても自分で処置して自力で帰宅しなければなりません。あくまでも一般公道の私的な走行という位置づけなのです。 自己責任なので体調不良などのトラブルの場合を想定してどの駅からならスタート地点まで輪行(自転車を持ち込んで電車で移動すること)して戻れるかなど、リタイアのシミュレーションもしておかなければなりません。 また時間内にゴールすれば早くても遅くても認定には違いがありませんのでレースでもありません。 ぶっ飛ばしてタイムを縮める人もいますし、美味しいお店を調べてグルメツアーをする人など楽しみ方は人それぞれです。 あえてママチャリやシングルギアで参加して認定を受ける強者もいます。

自分は完走するために持っていくものを選別するところから始まり、走行中のトラブル(天候・体調・故障)に適切に対処してゴールを目指す自転車の冒険と考えて楽しんでいます。 肉体的には追い込みますが極地でのサイクリングではないので何かあればリタイアという選択が可能でその点では比較的安全な冒険といえるでしょう。

認定基準をクリアできるペースはどれぐらいかというと、最低平均時速13.3〜15.0km/hで走れば所定の時間内に時間内にゴールして認定してもらえます。ノントラブルであれば決して走れない時間ではありませんがスタッフは山あり谷ありの過酷なコースを用意してくれます。距離はというと一番短いコースが200qです。認定時間は13時間30分以内です。朝一にスタートしてもゴール時は日が暮れていることが多いのではないでしょうか。 これに続き300q(20時間以内)、400q(27時間以内)、600q(40時間以内)、1,000q(75時間以内)と距離が増えていきます。

300qでは夜間走行を余儀なくされるものの、自転車イベントなどの経験がある方なら難なく完走できることが多いようです。しかし自分の経験からすると、400qを超えてくると別世界の過酷さに変わります。(なかなか日常生活では味わえないサバイバル体験ですよ) 400qでは朝一にスタートしても完走するのは翌日の午前中となります。一日中プラス一晩中自転車をこぎ続けなくてはいけませんので仮眠をとるなどの休憩も必要になってきます。夜間の山中走行もあるので野生動物にも要注意です。またハンガーノックによるエネルギー切れも心配ですね。ちなみに自分が初めて走った400qは福岡 - 長崎の往復で大雨のおまけつきでした。土砂降りの中、学生時代を過ごした長崎に向かって走ったのは今では良い思い出です。(なんとか完走したものの走っているときはハンガーノックでリタイア寸前でしたが…)

600qが自分の認定された最長距離ですがこの距離になると朝8:00にスタートしてもゴールは翌日の深夜0:00近くになります。ほぼまる二日間の走行になりますので睡魔との戦いも始まり私はもっぱらバス停等で仮眠していました。健康センターやビジネスホテルで休憩される方もいるようです。 初めての600qは2010年の6月でした。経験が浅かったせいもあり体に蓄積したダメ―ジは大きくて認定後に大風邪ひいてしまいました。ちょうど4年前でワールドカップ南アフリカ大会は風邪でダウンしていてほとんど見ることができなかったのを覚えています。

自転車という身近な道具で異次元の世界を体験できる「ブルベ」を紹介させていただきました。開催している団体は日本全国にありますので興味のある方は門をたたいてみてはいかがでしょうか。

AudaxJapan : 一般社団法人オダックス・ジャパン(AJ)は日本でブルベの運営、促進を行うための非営利団体です。同時にブルベを走る人のためのクラブです。運営はすべてブルベ参加者である会員がボランティアで行っています。

AudaxJapan - Super Randonneur-表彰 : 同一年内(1月〜12月)にBRMの200km, 300km, 400km, 600kmを完走すると、Super Randonneur (SR)と呼ばれます(SRに認定はありません)。SRになった記念としてSRのメダルを購入することができます。SRのメダルはPBP(パリ・ブレスト・パリ)の開催される年に デザインが変わります。

パリ・ブレスト・パリ - Wikipedia : パリからブレストまで往復する1,200キロのサイクリングイベント。

長岡新也

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